【真備町】コーヒーモストロ~移住相談できるスペシャルティコーヒー専門店
2024年11月17日、倉敷市真備町にスペシャルティコーヒー専門店「コーヒーモストロ」がオープンしました。
倉敷市玉島出身の店主がUターン移住し“地元である倉敷のためにできることをしたい”いう想いから開業。
コーヒーの奥深さと魅力を伝える「コーヒーモストロ」について、店舗紹介と店主インタビューの2本立てでご紹介します。
目次
「コーヒーモストロ」について
良質な原料探しとクオリティチェックを徹底したコーヒー専門店が、真備町有井地区にオープン。
店舗の窓ガラスに大きく描かれた「モスボー」は、店主の赤澤さんをイメージした看板キャラクターです。
「モストロ」とは、イタリア語で「化け物」の意味。“コーヒーお化け”というユニークな店名なんです。
店内は天井も高く、大きな窓ガラスもあり、ゆったりのんびりと過ごせる空間となっています。
テーブル席3席と窓際カウンター席6席の計9席。
窓際のカウンター席にはスモーク窓ガラスもあり、落ち着いてゆっくりとコーヒーを楽しめます。気さくな店主がコーヒーについて色々教えてくれますよ。
「コーヒーモストロ」のメニュー
「コーヒーモストロ」は、「ウォッシュド精製(水洗式)」のコーヒー豆をメインとして取り扱われているのが特徴。
ウォッシュドとは、コーヒーチェリーと呼ばれる果肉を取って水洗いをして乾かす、昔ながらの精製方法です。
この精製方法のメリットは、不純物の混入や、不良豆が少なくなる製法のため均一度のある仕上がりになり、高品質の生豆を生産することができることだそう。
フルーティーな香りのするものや苦みが少なくスッキリとしたもの、ほんのり甘さが残るものなど。コーヒー豆の種類や淹れ方の組み合わせで変化する味について、店主さんに色々と教えていただきました。
「ニューヨークチーズケーキ」はしっとりとした食感に、程よい甘さです。
コーヒーは、この日オススメの「クリスマスブレンド」をいただきました。スッキリとした中に、ほんのりと甘さが残る味わい。アーモンドのような香ばしさもあるブレンドをいただき、ほっとひと息をつくことができました。
またもうひとつのデザートセットメニューの「イタリアンプリン」は昔懐かしい固めのプリン。こちらも程よい甘さ控えめで、コーヒーとの相性抜群です!
コーヒーの知識が豊富な店主は、なぜ真備町へ移住してお店を始めたのか。
次は、店主の赤澤さんにインタビューをしたのでご紹介します。
玉島出身の店主が真備町でお店を開いたワケ
岡山を離れて東京の大学へ進学をして、そのまま東京の企業に就職しました。
実は学生時代から相撲をしていて、会社の相撲部に誘われ、社会人のときは全国3位まで、東日本では優勝までしたんです。けど相撲部はのちに解散となり、そのまま航空会社で手荷物関係の仕事を14年間続けていました。
東京に家を借りて結婚もしましたが、定年までこの会社で働いてサラリーマンを続けていくのかどうかを考えるようになって…。
奥さんも「お互いやりたいことをやろう」と後押ししてくれたこともあって。もともとコーヒーが好きだったので、岡山へ戻ってコーヒー屋ができたらいいなと思うようになったんです。
会社を勢いで辞めて、藁をもすがる思いで「堀口珈琲」の創始者である堀口俊英さんが主催する「堀口珈琲研究所」というコーヒーセミナーへ行ってみたんです。
自分は人見知りなのですが、このときは堀口会長に自分を覚えてもらおうと必死でした。「コーヒー業界未経験者ですが、自家焙煎珈琲専門店をオープンすることができますか?」と聞いてみたんです。
僕の熱意が伝わったのか「それなら面倒をみてあげるよ。」と堀口会長に言っていただけたんです。
「ただし、最低2年はここへ通って。原料であるコーヒー豆の良さが見極めなければ、おいしいコーヒーを淹れることはできないから」と言われ、コーヒー店でアルバイトをしながら約2年半通いました。
大変だったのは、東京に住みながら月に一回岡山へ帰って物件を探すこと。
元々住んでいた玉島や他の周辺地域の物件も見たのですが、真備のこの物件が外見も含めて自分に一番しっくりきたんです。
真備町は2018年に西日本豪雨で被災にあった町。そのとき自分は東京にいてテレビで見ることしかできなかったのですが、岡山へ戻って来るなら真備のためにできることをしたいと思ったんです。
ご縁あって真備町の不動産会社の白神さんを紹介してもらい、会ってすぐに「うちの隣の空き物件、ここでやってみればいいが」と言われて(笑)
「最近、真備町はカフェやコーヒー屋が多くていいね」と話題になれば、お互いの店舗の相乗効果になるのではないかという話にもなりました。
僕は真備町のこの場所を選んでよかったと思います。せかせかしているタイプではないので、落ち着いてやりたい自分にはピッタリですね。
移住相談ができる、エンタメコーヒーショップとは?
風味豊かで個性のある、スペシャルティコーヒー専門店は自分の中では絶対条件でした。
また、地方創生については、「岡山県地域課題解決型企業支援金」というものがあることを知って、活用できたらと思ったのが始まりです。
真備町は水害があって、被災後たくさんの人が真備へ戻ってきましたが、定住人口が1割ほど減っています。全国的にも言えますが、少子高齢化が進んで人口は減ってきているので、若い人を真備に呼ぶキッカケづくりができたらいいなと考えたんです。
だから、移住相談ができるエンタメコーヒーショップにしよう、と思いました。
僕も元は倉敷に住んでいましたが、大学時代からずっと東京に住んでいて戻ってきた、Uターンの移住者。
移住は、行政に行って手続きを行わなければならなかったりなど、ハードルが高いのも現状。なので、この店が移住相談の最初の窓口になればと思いました。
くらしき移住定住推進室の人とも密にコンタクトを取っているので、本気で移住を考えている人がいれば、僕が倉敷市とつなぐこともできるので、移住のとっかかりを作ってあげられるかなぁと。
エンタメ要素は、これから徐々に作っていきたいですね。
補助金を使った取り組みなので事業内容の構築や収支計画の作成が大変でしたが、挑戦してよかったです。とても勉強にもなりました。
もっとおいしいコーヒーを届けたい
今の時代の流れとは逆行した、ウォッシュド精製をメインとしていることです。
今のコーヒーの流れとしては、精製する段階で酵母などを入れて発酵させる、発酵系が流行りなのですが。
本来のコーヒーは、テロワール、その国の土壌が生みだす環境や国ごとの個性を楽しむものなので、昔ながらのキレイなコーヒーであるウォッシュドを使っています。
更に自分自身もアップデートして、もっとおいしいコーヒー豆を焙煎して、たくさん販売して広めていけたらと思っています。
コーヒー店を始めて、1ヶ月が経って
Instagramを見て来られる人もいれば、真備町の人も来てくれて。3日ごとに来てくれる、顔なじみのお客様もできました。
それがすごく嬉しいですね。本当にめちゃめちゃ嬉しい。
僕は自分ができる限りの最大限のサービスとして、ホスピタリティを大事にしています。
余裕があれば試飲をお出ししたりなど、いろんなコーヒーを楽しんでほしいという想いを大切にして営業をしているので、伝わっていたら嬉しいですね。
地域に根付いたお店にしていきたい
まずはネットショップを始めて、もう少し焙煎の勉強をする時間を作りたい。あとはもっと「モストロ」を知ってもらって、コーヒービーンズショップとして地域にしっかり根付いていきたいです。
先日、同じ補助金をもらっている先輩「倉敷グリーンファーム」さんが講師を務められた、くらしき移住定住推進室が主催の「移住者交流会」へ行ってきました。
移住者の人たちと交流しながら、苔玉づくりをしたのですが、楽しかったです。同じようにうちのお店でもワークショップ的なこともやってみたいですね。
また、セミナーやアーティストさんの作品を置いたりなども、今後できたらと考えています。
インタビューをおえて
「謙虚な気持ちで自己中心を意識してやっています。自分がおいしいと思うから飲んでくださいと試飲をすすめたりしていますから」とお話してくださった赤澤さん。自分がやりたいことをやっているので、大変だけど楽しいと笑顔で語ってくれました。
今回のインタビューを通して、ユニークな部分もありつつ、珈琲に対して実直でストイックな一面もある魅力的な人物像が見えてきました。
真備町で移住相談もできる「コーヒーモストロ」さんで、赤澤さんとおしゃべりしながらのコーヒー時間をぜひ楽しんでみてください。
COFFEE MOSTRO(コーヒーモストロ)
住所:岡山県倉敷市真備町有井69
営業時間:10時30分~18時
定休日:火曜日
電話番号:086-441-2031
▼ホームページ
▼Instagram(インスタグラム)
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